「体育の日」の趣旨と目的とは?

ねぇリンちゃん、「体育の日」ってさぁー、
昔の東京オリンピックがあった日だったんだよねー

へぇー、カウちゃん、良く知ってたねー!
そうだよ、1回目の東京オリンピックが開かれた10月10日を記念して、「体育の日」ができたんだよ!

でさぁー、今度また東京オリンピックがあるじゃん!

あるよねー、楽しみだねー!

でもさぁー、昔のオリンピックはさぁー、10月だったから秋だよね。なんで今回のオリンピックは夏なの?
秋だったら結構涼しいと思うんだけど、夏は暑いじゃん!
マラソンなんかやばくない?なんで、今回も秋にしないの?

んーーん・・・
私もそう思ったから、調べて知ってるんだけど、ちょっとここじゃ言えないっていうか、この吹き出しにそぐわない内容になりそうだから、下の記事の「 コラム: 何故、夏季オリンピックは真夏が多いの? 」っていう見出しの記事のところを読んで見て。
簡単にいうと、「大人の事情」があるみたいだね!

ん?「大人の事情」?
それも意味がよく分かんないんだけど・・・。
とにかく読んでみるかー。(ヨムノメンドクセー!)

「体育の日」が、1回目の東京オリンピックの開会式の日になった理由!

国民の祝日「体育の日」の施行は1966年10月10日から始まった。

国民の祝日「体育の日」が1回目の1964年(昭和39年)東京オリンピックの10月10日(ハッピーマンデーになる前)の開会式の日を記念して「国民の休日」になったことはなんとなくでもご存じでしょう。
しかし、どのような趣旨なのかどのような目的で設けられたのかは、ご存知ないかもしれません。

そこで、こちらで簡単に説明したいと思います。

まず、国民の休日としての「体育の日」はいつ決定したのでしょうか?
それは1966年(昭和41年)6月25日でした。

1回目の東京オリンピックの2年後ですね。(ビートルズ来日の日の4日前でもあります。)

そして、施行の日は世界的なスポーツの祭典であるオリンピックが東京で開催されたことと、さらに「体育」の象徴としてのオリンピックということで10月10日(当時)と定められました。

その趣旨と目的は?

その趣旨は「スポーツに親しみ、健康な心身を培う。」というものです。
国民の健康保持、健康増進、スポーツの普及・振興を目的に制定されました。

日ごろ運動をしていない人たちにとっては、「体育の日」があることで、「体育」あるいは「運動」という言葉を思い起こし、国民のいくらかでも健康増進のために行動を起こしてくれたらという事でこの「体育の日」は制定されました。

国からも、その「体育の日」にはなんらかの体育・スポーツに関するイベントや行事を行うことを各自治体に要望し、それを推進する為に補助も行うとしています。

「スポーツの日」が以前にもあったことと、「体育の日」に纏(まつ)わる話。

「体育の日」の前には「スポーツの日」が存在した。

国民の祝日「体育の日」は1966年に施行されてましたが、実は「体育の日」はそれ以前にすでに「スポーツの日」として存在していました。

これはあまり語られてないようですが、以前よりスポーツ振興法(現在もあります)という法律があり「スポーツの日」として定められていました。
それが国民の祝日になると同時に「体育の日」に名称が変わったのです。

このスポーツ振興法は1961年(昭和36年6月16日)に制定されたもので、その目的は、その第1条1項に書かれてあります。

「この法律は、スポーツの振興に関する施策の基本を明らかにし、もつて国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与することを目的とする。」
と書かれてあり、国民全体のスポーツに対する意識付けと、運動の必要性の自覚を進めるもので、その後の「体育の日」のベースとなっているものです。

「体育の日」の変遷

国民の祝日「体育の日」が制定されてから、もう半世紀を越えました。
その長い間に、はハッピーマンデー、名称変更等の変遷がありました。
その変遷の由来、目的などをお話しします。

「ハッピーマンデー」に変更された。

「体育の日」は現在では、「ハッピーマンデー」となっていて10月第2月曜日が「体育の日」となってて、2000年(平成12年)から実施しています。

「ハッピーマンデー」とは、祝日をこれまでの日付固定という概念から、それまでの祝日日に近い週の「月曜日」移動させるものです。
例えば、「成人の日」1月第2月曜日、「敬老の日」は9月第3月曜日というように○月第○月曜日という表現で決められます。

その目的は、祝日を月曜日に固定することで、週休2日制(土日が休みの場合)であれば、3連休という普段より長い連続した休日を過ごすことで、より自由な時間が確保され、心身ともリフレッシュする機会を設けようという目的で始まりました。

「ハッピーマンデー」はすべての祝日に適用されたものではありません。
おもに検討される理由としては、その祝日をその年のカレンダー上で見た場合、近接した祝日などと合わせて、その祝日をハッピーマンデーに変えることで、3連休よりさらに長い連休になりそうな場合などに検討されるケースが多いようです。

現在は「ハッピーマンデー」はまだ多くはないですが、今後も増えてくると思われます。

ただ一見、良い事ずくめのように思われる「ハッピーマンデー」ですが、この制度に対して若干の批判的な面も指摘されてます。

それは、
1、祝日の名前の本来の意味が失われること。
たしかに今回の「体育の日」も元々はオリンピックの開会式の日(10月10日)を記念して実施されたものですね。

2、学校関係では月曜日のカリキュラムの消化できない分への負担が増大。
週ごと単位で組み込まれている場合は、月曜の教科が消化できない面もあります。それをどう消化しようとしたら、別の曜日への負担が増します。

などの意見が出ているそうです。
休みが増えるという事はいいことですが、何の祝日なのか分からなくなることや休むことで他への負担が増大することは避けてもらいたいものです。
大きく考えれば国力の問題にも発展しかねないのですから、休みを増やすのも慎重に考えたいものですね。

2020年から「スポーツの日」へ名称変更。

2回目の東京オリンピックの年の2020年(令和2年)から名称を変更し「スポーツの日」にすることが決まりました。

2018年6月に改正法が提出されて可決されました。
2020年(令和2年)に開催される東京オリンピック・パラリンピックにちなんで変更されたものです。

「体育の日」が出来るスポーツ振興法が出来て最初の名称「スポーツの日」に戻ったということですね。

ハッピーマンデーに変わった時もそうでしたが、名称が変わって、「体育の日」がなくなるって、ちょっと寂しい気持ちでしたね。

それと「体育の日」という名称は、単に「スポーツ」という意味だけではなく、学校でもこの言葉は使われているように、「体を育てる」という意味があると思うんですね。

だから、単なる「スポーツ」というだけでは、意味が全然違ってきますから、最初は違和感がありました。

「体育」って言葉、僕にはなんか懐かしいイメージもあるんですよね。
仕方ないか( ;∀;)

「2020年のスポーツの日(体育の日)は7月になる!」

東京オリンピックが開催される2020年(令和2年)だけはスポーツの日(旧体育の日)は、通常10月第二月曜日ではなく、7月24日へ移動します。

それは、東京オリンピックの開会式が7月24日に行われる為で、便宜的にその日を国民の祝日とすることで、日本で開催される東京オリンピックを国民のみんなで盛り上げようとするものです。

ちなみに
東京オリンピックの開催期間は
2020年7月24日㈮~8月9日㈰の17日間
で、その中の開会式と閉会式前後で祝日が入って連休となっています。
開会式前後では
7月23日㈭ 海の日
7月24日㈮ 開会式 スポーツの日
7月25日㈯ 休日(週休二日制の場合)
7月26日㈰ 休日
の4連休です。

閉会式前後では
8月8日㈯ 休日(週休二日制の場合)
8月9日㈰ 閉会式 休日
8月10日㈪ 山の日
(参照:国民の祝日「山の日」の由来は? ※1を参照)
の3連休となります。8月は同じ週の13日からお盆となりますので、場合によって最大9連休の可能性もあります。

コラム: 何故、夏季オリンピックは真夏が多いの?

1回目の東京オリンピックが10月の開催でしたよね。
しかし、2回目の開催は7月24日~8月9日のまさに夏の一番暑い期間に開催となってます。

何故、年間で一番暑い真夏に開催となったのでしょう?
しかも、それはオリンピックを取り仕切る国際オリンピック委員会(IOC)が、近年、その期間を7月15日~8月31日の間に指定して開催するよう求めているということなのです。
何故、そこに限定するのでしょうか?

その最大の理由は、ズバリ、お金が絡んでいるのです。
と言っても、汚職とか買収とかいう話ではありません。

テレビの放送権料の問題です。

理由はこうです。
秋には世界中で人気プロスポーツの優勝が懸かって戦いが佳境に入る試合が目白押しとなります。
アメリカでは大リーグベースボール、アメリカンフットボール、ヨーロッパではサッカーの序盤戦、日本でも野球やサッカーが同じよう佳境に入ってくる時期になります。

もしそういう状況の中で、秋に重なってオリンピックが開催されるとしたらどうなるでしょう?

双方が視聴率を取り合う事になってしまい、結局、放送権料と言うのは相場みたいなものですから、相対的にプロスポーツとオリンピック双方の取り分が少なくなるということになってしまうのです。

それと、もうひとつ理由があって、夏の時期は世界のプロスポーツは閑散期に入ってしまいますので、上記の面からも最適な期間ということになってきてしまうのです。

プロスポーツ運営する側と国際オリンピック側の双方がWINWINの関係ということなんですね。

「おいおいちょっと待てよ」と、

国際オリンピック委員会(IOC)は五輪憲章では

「選手の健康を守る施策を奨励、支援する」
「スポーツを商業的に悪用することに反対」

としていますが、実際には事実上、こんなお粗末なことになっているのが現状です。

もっと「選手ファースト」、「観客ファースト」でやって貰えるよう工夫はないものなのかと考えてしまいます。

因みに、1964年東京オリンピック以降開催のオリンピックの実施時期と平均気温を表にしてみましたのでご覧ください。


黄色アミの項が、7月~8月の開催です。
開催地の緯度の関係で平均気温が低いところもありますが、ほとんどが29℃以上となっています。

「体育の日」前後の全国各地でのイベント開催。

●東京都 「スポーツ博覧会」

                         ※写真はイメージです

東京都などが主催する「体育の日」の一大イベントが開催される。東京都民があらゆるスポーツに気軽に体験参加できる都内最大級のイベントが毎年開催されてます。
通常は2日間で2会場を使って、そこに30種以上のスポーツが集合して本格的な体験が出来たり、各種スポーツ教室などがあり、子供にもスポーツへの入り口となるような画期的な催し物やその他、いろんなイベントが豊富に揃ってます。
主なスポーツを紹介すると、
カヌー
チアリーディング
スポーツチャンバラ
フリーテニス
ツリークライミング
ウォーキングサッカー
相撲
射撃
ボルダリング
ドッヂボールなどなど
普段、見るだけでやってみたいなと思っても出来なかったスポーツを体験できるチャンスです。
この機会に一度、直に触れて体験してみましょう。

お問い合わせ スポーツ博覧会・東京事務局 03-6261-6866

東京都 東京体育館スポーツドリーム

東京体育館

東京体育館は、1954年に作られたてから、1990年に全面改装された都立の体育館です。

渋谷区千駄ヶ谷にあり、これまでボクシングからバレーボール、フィギュアスケートなど数々の世界大会が開催された体育館です。

体育館と言っても一つの施設ではなく、メインアリーナ、サブアリーナ、屋内プール、他陸上競技場を備えています。

今回のこのスポーツドリームは「体育の日」に毎年開かれているイベントです。
東京体育館全体を多くの都民その他に開かれて行われるイベントで、いろんなスポーツの経験が楽しめて、五輪経験者が直接指導をしたり、お笑い芸人の登場や外国のグルメ、豪華景品が当たる抽選会など楽しい催しもので盛沢山です。

東京都 スポーツ祭り

                        ※写真はイメージです。

日本オリンピック委員会(JOC)の主催で毎年、「体育の日」に行われている一大イベントです。

日本のオリンピック出場者やトップアスリートを招いて、延べ一万人以上の参加がある恒例のイベントです。

会場は国立スポーツ科学センター、味の素ナショナルトレーニングセンターなどで、いろんなスポーツのアスリートと触れ合いながら、スポーツの楽しさや健康維持の大切さを伝えます。

元オリンピック選手や有名人に直(じか)に会える絶好の機会ですよ。
ぜひ、おでかけ下さい。

「体育の日」には全国のスポーツ関連施設が無料になるところがいっぱい!

上記では東京のイベントだけでしたが、
「体育の日」には各地でもイベントが開催されるとともに、スポーツの関連施設が無料で開放されるところが多いですよ。

この機会にあなたも何かひとつのスポーツを選んで、健康維持増進の為にも、始めたらどうですか?

僕もだいぶ体が思うように動かなくなってきたから、始めようかなと思ってます。

海外に祝日の「体育の日」はあるのか?スポーツへの取り組みは?

祝日(休日)として「体育の日」としている国はありません。

しかし、休日としてはなかったのですが、「スポーツの日として制定している国は多数ありました。

やはり、趣旨は日本と同じように、国民の「健康の維持、増進」を図るためのものというのがほとんどです。

ちなみに「体育の日」は英語では、
「Health and Sports Day」
Physical education day」
「ealth-Sports Day」
「National Sports Day」
などといろいろその趣旨によって、出てきて定まっていません。

やはり、海外で特定の呼び方がないというのは「○○の日」という「体育」に特定の日に限定するという概念がないのが原因なんでしょうね?

まとめ

「体育の日」が制定されてから半世紀以上が過ぎました。
その間、「体育の日」はどのような役割を果たしてきたのでしょうか?

制定された頃は、「体育」あるいは「運動」が健康上の重要度は現在よりも、あまりなかったような気がします。
健康診断も充実されてませんでしたし、血圧とか肥満なども、そう話題なるようなことはなかったような気がします。

そう言えば、太っている人を表現するときには、「体格がいい」とか「恰幅(かっぷく)がいい」とか言ってましたね。

意味としては現在では考えられないような「頼もしい」とか、「優しい」とかという意味で肯定的に捉えられていて、まだまだ太っていることでのリスクというのは、あまり語られてなかったような気がします。

それが、ここ2000年頃からでしょうか。
医学も進み、太っていることが、健康へのリスクになるという事が言われ始め、「メタボリックシンドローム」が話題になり、メタボ」という流行語が生まれたことによって、国民の健康意識というものが高まってきました。

「体育の日」もその間、10月10日は「体育の日」として運動会やスポーツ大会は開かれてはいたものの、やっと15年ほど前から健康と運動という関係性が重要視されてきたようなに思います。

「体育の日」にはスポーツ大会がさらに増えてきたり、スポーツ施設の無料開放などが増えていきました。

その結果、国民の中でも「体育の日」が「楽しい運動をする日」に加えて、「健康増進の為の象徴の日」となっていったような気がします。

今では、多くの国民に健康の為の「体育」意識が浸透してきて、子供からお爺ちゃんやおばあちゃんまでが体を動かす人たちを目にする機会が増えてきていますね。

さらに副産物として、まだ幼いころからスポーツに親しむ機会が増えたことにより、このところよく話題になる世界のあらゆる競技で活躍する多くの若い人たちを輩出している一因になっているのかもしれません。

私も、高齢者の入り口にいますが、現在では週3回ほどですが、スクワットとダンベルを使った運動を30分ほどを掛けて行っていて、かれこれ10年ほどになりました。

そのせいもあるのでしょう。
体が若干固くなっているなと感じることはありますが、健康診断ではとくに「検査要」などはありません。

日常的には、すこぶる快適に過ごしています。
運動をしている効果というのは、勿論、健康を維持することにもありますが、心的にも自信がついてきますね。
いまでは「運動」は日常の一部として定着しています。

まさに「体育」そのものです。

あなたももし、まだでしたら「体育」を始められたら、どうでしょうか?

よけいなお世話ですね ゴメンナサイ・・・(;´д`)

最後までお読み頂きありがとうございました。