「ハロウィン」が始まった「由来」やその「世界の盛り上がり」などを調べてみました。

ねぇリンちゃん、ハロウィンってさー、仮装なんかして、いったいなんのお祭りなの?ちょっと怖いんだけどー。

あーハロウィンねー!
あれはね、まー日本で言えば、大晦日とお盆が一緒に来たって考えればわかりやすいよね。

あー、大晦日とお盆ねー、分かったー
チガウチガウ!分からない分からない!ちゃんと教えて!

ハロウィンはね、ヨーロッパのむかーしのケルト人という人種から始まったんだよ!

ケルト人?なんか分かんないけど。
なんで仮装するの?

仮装するのはね、あれは悪魔を意味してるんだよ!
でね、ケルト人って1年は11月から始まるってなってて、それでハロウィンの日って10月31日だよねー。
だからハロウィンって大晦日だよね、でね、その日には死者や悪魔がやってくるっていう事が信じられてたんだよ!

ふーん、あっ、だからお盆ってことか!死者が来るからね!
日本でもお盆には死んだ人が帰ってくる話があるからね。

おっ、今日はカウちゃん賢いねー、吹き出しが長くなってきてたからどうなるかと思ってたけど、短くなって助かるー。

でさー、カウちゃん、なんでハロウィンでみんなが仮装をするようになったかっていうのはさー、ちょっと話が長くなるからこの下に書いてあるから、読んどいてもらえるかなー。

わかった!なんかはぐらかされたような気分だけど、
とりあえず見るだけ見るかー!

「ハロウィン」の「語源」は何から来てる?


ハロウィンの語源は「諸聖人の祝日の前夜」を意味する「All Hallow’s Even」からきています。
「All Hallow’s Even」を略して「Halloween」となりました。

「諸聖人」とはキリスト教のすべての聖人のことです。
「聖人」とは例えば十二使徒やパウロなどのことを言います。

「ハロウィン」は10月31日に行われますが、祝日の前の夜、つまり11月1日の祭りの前夜祭を意味しているのです。

ハロウィンはどこが発祥なのか?

発祥は古代ケルト人とされています。


  ヨーロッパにおけるケルト人の大まかな分布(赤色:管理者) 地図 : CraftMAP

「ハロウィン」の発祥は古代ケルト人の秋の収穫感謝祭が起源とされています。

現在のアイルランド・イギリスを含む西ヨーロッパが「ハロウィン」の発祥地です。
ケルト人というのは、インド・ヨーロッパ語族のことで、元は中央アジアからおそらく青銅器時代にイギリス、アイルランドを含む西ヨーロッパ一帯に渡来した民族と考えられています。
英語表記は「Kelt」または「Celt」と書きます。

ケルト人は一年の始まりを現在の暦で11月1日としていました。
ですから、「ハロウィン」は10月31日としていますのでケルト人のとってはいわゆる大晦日ということになります。

この日は前述した通り秋の収穫感謝祭となっていて、身内の死者の霊が訪ねてくる日とされていると同時に、悪霊が降りてきて作物を荒らす日ともされていました。

そこでその感謝祭の日、10月31日に降りてくる悪霊に因んだ祭りが行われるようになりました。

それが「ハロウィン」の始まりになったということです。

定番の「トリックオアトリート」と「ジャックオーランタン」とは?

「ハロウィン」の風習とその変化。


「ハロウィン」の元々の行事としては二つのキーワードがあります。
それは、「ジャック・オー・ランタン」「トリック・オア・トリート」です。

ジャック・オー・ランタン(Jack-o’-Lantern)悪魔を追い払う。
10月31日になると、子供たちがかぼちゃを怖い顔にくり抜いてその中にロウソク入れた魔除けとなる「ジャック・オー・ランタン」を作っていました。

「ジャック・オー・ランタン」の語源はジャックという人物が最初に「カブ」を怖い顔にくり抜いたので、その人の名前が付いたものです。
「ランタン」は日本でも使うとして使われていたものですね。
「かぼちゃ」ではなく「カブ」なのは最初は「カブ」を使ったいうところから来ています。

そしてその中にロウソクを入れて火を灯し、「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」(日本で言う火の玉のこと)として、家の前に置いて、悪魔を追い払う為の風習を行なっていまました。

これが「ジャック・オー・ランタン」です。悪魔よけをする為のランタンですね。

トリック・オア・トリート(trick or treat  )子供が悪魔の役をする時の言葉
「トリック・オア・トリート」は子供たちがハロウィンの時に、近所の家を廻りながらいう言葉です。

「トリック」は「いたずら」、「オア」は「又は」、「トリート」は「扱う・もてなす」です。子どもたちが言っている意味は、つまり「どっちにするか」を要求をしているんですね。

「いたずらするぞ!、さもなくばもてなせ!(お菓子をくれ)」となります。

この風習は「ハロウィン」がアメリカへ伝わってから始まりました。

それはケルト民族のキリスト教の風習で10月31日前後に家庭では、「ソウリング(souling)」といって身内の死者が天国へ行けるようにと、「ソウルケーキ」を作って訪れるクリスチャンにケーキを渡していたことと関係してます。

やがてアメリカへ渡っていったケルト人によっても、その風習が行われていました。

そして「ソウリング」時期的にも「ハロウィン」が近かったので子供たちが死者の代わりになり、仮装をして各家々を廻って「トリック・オア・トリート(trick or treat)」と言いながら家から渡されていた「ソウルケーキ」が「お菓子」に変わり現在の形に変化していったということです。

アメリカでの変化と世界への拡大!

「ハロウィン」はヨーロッパの古代ケルト人から始まったものではありますが、ここまで世界中に広がった理由としては、アメリカやカナダの存在があります。

「ハロウィン」は西ヨーロッパで発祥したわけですが、それだけではとても世界中で知れ渡ることは出来なかったでしょう。

西ヨーロッパの古代ケルト人の手により、始まったこの風習が世界中に広まるのは、19世紀になるまでは、西ヨーロッパで行われている風習にすぎませんでした。

では19世紀に何が起ったのか。
大量のケルト人が含まれたアイルランド人のアメリカへの移住の結果です。

それまでもアメリカでは多少のケルト人はいましたので、「ハロウィン」は行われていましたが、大量にアイルランド人が移住したことによって、「ハロウィン」が徐々にアメリカのケルト系以外の人種の人々にも知れ渡るようになりました。

かぼちゃをくり抜いて顔を作り、奇抜な格好をする「ハロウィン」は人々に面白く映ったのではないでしょうか。

そして時が経ち20世紀半ばになり、映画やテレビの発達で「ハロウィン」がメディアに紹介されていきます。

奇抜ではあったがあまり宗教的な臭いもない、この風習が商業的な側面もありましたが、アメリカ、カナダ全体にさらに波及するとともに、結果的に現在のように世界中に拡大することになったのです。

「ハロウィン」から生まれた料理

日常でおなじみのこの料理も!

ハロウィンでは10月31日のその日の定番の料理がいくつかあります。いまでは、ハロウィンではなくても日本でもお馴染みとなっている料理もあります。その一例をご紹介します。

1、バーム・ブラック(Barm Brack)
アイルランドで初めに作られた食べ物。
これは、干しぶどうなどのドライフルーツ入りの濃厚で風味のあるケーキである。ブラック(brack)は斑点を意味し、フルーツが生地の中に入ってる斑点のように見えるところからきている。

2、パンプキン・パイ(Pumpkin Pie)
日本でもすでにお馴染みのパイですね。
イギリスに以前からあったタートスタッフ(tart stuff)という料理から派生したことが起源と言われています。

ハロウィンで使われたカボチャも調理をされてたましたが、今ではハロウィン用に栽培されるカボチャは食用には合わないという事で食用には使われなくなりました。

3、キャンディ・アップル(Candy Apple)
ハロウィンでは、カボチャを真っ先に思い浮かべますが、海外ではりんごもカボチャと並んでなくてはならないものなのです。

りんごはハロウィンではいろんなゲームやお菓子に利用されているのです。
特にこの「キャンディ・アップル」は人気です。

日本のりんご飴のことなんです。

りんごの周りに砂糖を溶かして、いろんな色の食紅を混ぜたものをコーティングして、棒(箸など)で刺して売ってますよね。

日本でも縁日などで人気ですよね。

日本の「りんご飴」は元々、海外から入ってきたものだったんですね。
発祥はアメリカの菓子職人が考えたものらしいんですよ。

「ハロウィン」は世界中で本当に盛んに行われているのか?

「ハロウィン」はヨーロッパのアイルランドのケルト人から始まった祭りですが、現在では世界中の国々に拡大しています。
その主な国をご紹介します。


●イギリス
発祥の地なのですが、あまり派手ではなく子供や若者に限定した祭りとなっています。

発祥の地のアイルランドと同じく先祖が多くのケルト人がいるイギリスでは、意外なことに「ハロウィン」はアメリカや日本のように街中が盛り上がってはいないのです。

現在では子供たちで「トリック・オア・トリート」や、若者たちはドレスアップしてクラブで楽しむことは盛んに行われているようです。

因みに、「ハロウィン」よりも盛り上がっているイベントがあり、それは「ガイ・フォークス・ナイト」といいます。「ハロウィン」から6日後の11月5日に行われているものです。

「ガイ・フォークス・ナイト」というのは、17世紀初頭に起きた事件で、時の国王に反発したカトリック教徒が国王を殺す為に火薬陰謀事件を企てたが、失敗に終わった事件を記念して行われているイベントです。

ガイ・フォークス・ナイトが首謀者、火薬が関係しているので、そのイベントは花火が街中で爆発させていて盛り上がるということ。

●アメリカ
アメリカにはヨーロッパのケルト人が移住して「ハロウィン」風習を広めたところから始まったことは先に書きました。

アメリカの「ハロウィン」は現在の本場らしく本格的なイベントとなっています。

アイルランドのハロウィンと基本的には同じですが、その規模が違います。

子どもたちが近所を廻る「トリック・オア・トリート」、それから「ジャックオーランタン」もカボチャで作って、仮装をして楽しむこと、その他がアメリカ全土で大々的にイベントにしてしまっているのが一番の特徴です。

ニューヨークでは世界最大規模の仮装パレードが開催されることを始め、学校の恒例行事であったり、その他の街でも何らかのパーティーが行われていて、もはや本来の意味である死者を迎えるとか子供の祭りいうレベルではなくなってきているのが現状のようです。

●カナダ
カナダもケルト人が多数移住したことにより、アメリカに次いで「ハロウィーン」の本場と言ってもいい国ですね。
「ハロウィン」の準備はカナダの9月に始まります。
日本の9月は暑さが残っている印象ですが、それより北に位置しているカナダでは若干、肌寒くなる頃に始まるということになります。

お店や街中の飾り付けが始まり、そして10月に入れば、「ジャンク・オー・ランタン」で使用するかぼちゃが収穫されて着々と準備が進んでいき、各家庭では、飾り付けも行われてきます。

中には、家全体をデコレーションするところもあります。

そして当日の10月31日夜には「トリック・オア・トリート」で子どもたちが近所をめぐり、さらに多くの都市の街で大々的に仮装パレードが行われます。

●メキシコ
10月31日もアメリカと同じように、かぼちゃを使った仮装や子供たちは街中を廻ってお菓子やキャンディを貰いにいくなどを行ないます。

しかし、そのあとの11月に入っての2日間に「死者の日」と言うのがあって、町中の人たちが顔を骸骨のペインティングをやったりして、そちらの方が大変盛り上がるそうです。

●ドイツ
10月31日のドイツはマルティン・ルターが宗教改革を行なった日で「宗教改革記念日」の祝日となっていました。
ヨーロッパに位置するドイツですが、元々はハロウィンという風習はありませんでした。
しかし、ここ数年の間にアメリカ式の「ハロウィン」が入ってきて、徐々に国内に広がっていったようです。
子どもたちが仮装をして、近所に行ってお菓子をもらったり、各地で「ハロウィン」の催しがあったり年々も盛り上がりを見せています。

●フィリピン
アメリカや日本のように派手な仮装であちこちで催し物は行われてはいなくて、強いて挙げるなら子供たちがかぼちゃの仮装をして楽しんでいる程度といったところです。
むしろ、こちらではまだ、クリスマスの方が早くも9月ごろから準備をやりだすということで、クリスマスの方がメインということです。

●イタリア
ハロウィンの影響は同じヨーロッパのアイルランドからではなく、近年に伝わったアメリカから影響を受けて、徐々にイベントとして行われる傾向にあります。ですから、宗教的な儀式ではなく、商業ベースのお祭りの色が濃いイベントとなってます。
しかし以前から宗教的風習としてあった翌日の11月1日のキリスト教のすべての聖人の為に祝う「諸聖人の祝日(しょせいじんのしゅくじつ)」や2日のすべての死者を追悼する「死者の日」のの方が盛んに行われています。

●ルーマニア
「ハロウィン」が入ってきたのは、元々、「ルーマニア」は東側諸国でしたので、その東西冷戦が終わってから、西側との交流が行われて徐々に「ハロウィン」は知られていくようになりました。
形態は子供たちはかぼちゃで「ジャック・おー・ランタン」を作ったり、仮装を楽しんだりしています。
アメリカや日本のように街中で仮装をして騒ぐというのは一部ではあるようですが、まだまだ小さい規模に留まってまっているというのが現状です。
ただ、ルーマニアと言えばドラキュラの本場ですから、仮装はドラキュラが人気のようですね。

●フランス
元々、ケルト人系も住んでいたフランスですが、「ハロウィン」は当初はあまり盛んではありませんでした。

しかし、ここ数年程度で爆発的に広まりました。
だいたいアメリカからのテレビや映画の影響か、仮装やコスプレを中心にしたものが多く、それもなんでも仮装をするアメリカや日本と違って、「お化け」か「魔女」に限られています。

それ以外の仮装は異端扱いされます。
しかし近年、世界で話題になったのが暴徒化です。

若者らがギャングに仮装してガラスを割ったり、バスに爆竹を投げ込んだり、略奪したりと大変な騒ぎになりましたね。

お祭りがこんなことでは、おちおち楽しんでもいられませんね。

中国
中国でも日本と同じように近年、ますます盛んになっていってます。
だいたい10月25日から徐々に盛り上がってきて31日にピークに達します。

アメリカにあるような「トリックオアトリート」のような子供たちが近所を訪問するものはなく、単に市街地で仮装して楽しむのが主流です。

開催されているのは、おもに上海、北京、天津などの大都市が中心です。
ディズニーランドなどの遊園地やショッピングモールなど人が集まる施設でも盛んに行われています。

仮装はおもにお化け関係のおどろおどろしたお化け屋敷にあるようなものが多く、日本のような何でも有りみたいなコスプレはあまり見かけません。

●韓国
韓国でもここ数年は「ハロウィン」が、徐々に盛り上がってきています。

中国と同様に子どもたちの近所の訪問などはなく、主に人が集まるショッピングモールやロッテワールドなど遊園地でのイベントが主流です。

街中でも9月後半になれば、ハロウィン色が出てきて、各お店で飾り付けなどをして盛り上げています。

仮装やコスチュームは、日本と同じように何でも有りの傾向があります。
アニメのキャラクターやお化けメイクなど様々です。

●台湾
日本と同じくアメリカ系ハロウィンです。
仮装が主に主役ですね。ただ、台湾は日本の渋谷のような多数の人が集まる場所がない為、主にクラブやバーなどで主催するハロウィンパーティーが主流です。
仮装も子供から大人まで楽しめるようなアニメキャラ、映画、お化けなどとなんでもOKです。

まとめ

「ハロウィン」は現在では、「イコール仮装」となってしまっている感がありますね。
しかも、「なんで仮装しているの」の疑問も持たずに世界中で騒いで楽しんでいるように見えます。

しかし、祭りとはそれでいいんだと思います。
「ハロウィン」はその仮装という変身願望の満たす面白さとそれに宗教的な制約のない自由さがあったために広がるべくして広がったのだと思います。

これからますます世界中に拡大していくのではないでしょうか。

あなたもどうぞ参加して楽しみましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。